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2009/10/30.Fri

「かっちゃんの秋刀魚の話。」

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〈ハナノキの紅葉〉


ちょっと昔の話をしてみようと思う。

話し手はかっちゃん。
新野に住む、元気で若いお年寄りだ。

昔の話は、面白い。
とても楽しげに、人が生活しているように感じる。
それに、当時の匂いがしてくるような気がするから、
私は時々、かっちゃんに昔の話をしてもらう。

かっちゃんから聞いた話を、
そのままにするのは惜しいような気がしたので、
時々ここへ綴ってみようと思い立った。

というわけで、
今日は秋にちなんだ話。



「かっちゃんの秋刀魚の話。」


かっちゃんは、山師だ。
頼まれりゃあ、山へ行っちゃあ木を切り出す。
綱1本で、するすると木に登る。

かっちゃんの仕事着は、法被だ。
紺色の法被。襟には、もらった製材屋の名前が入っている。
頭には帽子。これも、製材屋でもらった。
足元は、地下足袋。
腰には、鉈と鋸が入った筒を下げる。
これが仕事に行く時の格好だ。

小柄だが、かっちゃんは、力持ちだ。
余分な肉は一切ない。
人よりよく動く。くるくると、時間があれば動く。
いつも螺子を巻いている。

かっちゃんの親父も、山師だった。
よく一緒に山へ行った。

秋になり、かっちゃんはその頃の話をする。



 ――― かっちゃんの話 ――――
 
 昔は、弁当のおかずなんかなかったもんで。
 朝、一力(地元の店のことだに)の前に、魚屋がくるもんでな、
 そこへ行っちゃあ、秋刀魚を2匹買って山へ持ってくのよ。

 こぉんな(かっちゃんは片方の手を軽く丸めて言う)、
 ふっといふっとい秋刀魚をな、おやっさんの分と、おれの分と買ってな。
 2尾20円だに。

 それを山へ行って仕事しながら、火を焚いて、焼くのよ。
 木を削ってな。
 それを秋刀魚にぶっさして、地面に立てて、焼くんな。

 油が『ジュッ』つっちゃあ、落ちるんな。
 それがいいにおいでなぁ。

 秋刀魚が焼けりゃあ、「おやっさん、飯だに」って言ってな、
 大きい方をおやっさんにやって、食うんな。

 これがうまくてなぁ。
 ……あれはうまかったなぁ。

 あの秋刀魚は、うまかった。




かっちゃんの話を聞いとると、秋刀魚が食べたくなる。
串にさして、焚火でじっくりあぶった秋刀魚。

かっちゃんの話は、またするでな。



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2009/10/07.Wed

稲刈り… はざかけ米

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〈稲刈り始め!〉

チャカコン、チャカコンと、稲刈り機の音が新野の空に響く。
9月の大型連休最終日の午後、雨を心配しながらも、稲刈りが始まった。
とはいえ、気持ちよく晴れた、稲刈り日和。


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〈ハザ造り〉

ある程度の広さを刈り取ると、刈った稲をかけるハザをたてる。
新野周辺のハザは、高い。
…というのを、飯田に行くようになって気がついた。
飯田のハザは1段だが、我が家のハザは4段になる。

長い木の杭を5本差し込み、その杭の間に、竹を渡して、固定していく。
竹は、程よくしなって丈夫なので、稲の重みにも耐えるのだ。
杭の間の竹を、三脚でさらに支える。
このままでは、正面から風が吹くとバタンと倒れてしまうが、
それぞれの杭の左右に、スケと呼ばれる杭をナナメに固定する。
これで、風が吹いても倒れない。

すべて手作業で、ハザを組み立てるのに2時間ほど要する。


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〈途中、猫も手伝う〉

猫も、田んぼでお手伝い♪
…なわけがない。
稲の間のバッタやカエルを、追いかけまわしていた。


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〈初日、夕方6時〉

6時を回り、すっかり暗くなったので本日の作業終了。


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〈最後の稲をかける〉

4日後、再び手伝いに新野へ行くと、すでに最後の稲をかけていた。


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〈完成間近のハザ〉

稲をかけ終わり、一番上に雨よけのブルーシートをかければ、終わり。
手前のナナメの棒がスケ。
奥へ、三脚の足、スケ、三脚の足、スケと並んでいる。

ところどころ立っているのは、鳥よけのCD。
キラキラして、嫌がるのだそうだ。


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〈できあがると、こんな感じに〉

今では、コンバインで刈る田んぼも増えたが、
父いわく、「お日さまにあてて乾かした米の方が旨い」という。

「はざかけ米」は、昔から続く旨い米の作り方なのだ。

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〈刈られた稲〉

今年の稲刈り、終わり。



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